看護師が依存症治療に関わって気づくこと

アルコール依存症やギャンブル依存症などの依存症は否認の病とも呼ばれ、多くの患者が「自分は依存症ではない」あるいは「アルコールを摂取しなければ問題なく生活できる」と考えてしまいます。
また、家族などの周りは患者が病気であることを認識できるため、病気であることを認識させようとして家族間でトラブルを抱えることも多いです。
看護師は、「悪いのは患者の性格ではなく、病気なのだ」という意識を持って患者と向き合うことが求められます。
依存症患者は周りから「だらしがない」「意志が弱い」などのレッテルを貼られがちですが、依存症治療に寄り添う看護師の多くは、治療の過程で患者が良識を持った普通の人だと感じるようになります。
確かに繊細な方や感受性が豊かな方はいますが個性の範囲で、アルコールや薬物がなければ一般の多くの人と変わりありません。
レクリエーションや料理などのプログラムを通して楽しい時間を共有できることもあります。
依存症の患者はじっくり時間をかけて話を聞いてもらうことで、周囲との信頼関係を徐々に取り戻していきます。
看護師は患者本人だけでなく、患者を支える家族からの話も聞き、本人が家庭や社会の中で生活できるようにサポートをしていきます。
このような仕事柄、依存症治療に携わっている看護師は、傾聴する力や高いコミュニケーション能力を獲得していくことが可能です。
また、周りの先輩看護師は穏やかな性格をしている人が多く、仕事の悩みを相談しやすいという特徴も見られます。